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「でも僕、一日でも早く帰りたかったし、
何があっても、金曜日だけはナッちゃんと一緒にいたかったから
もう必死でした」
美味しそうにハンバーグを頬張りながら、ニッコリ笑ってくれたものの、
顔には、くっきりとした疲労が浮かんでいた。
だから私は、枕元の灯りを消すと、そっと彼の隣に体を滑り込ませた。
だが、それと同時に胸元に彼がすり寄ってきて、
起こしてしまったのかと一瞬ドキリとする。
しかし、
「ナッちゃ……」
微かに呟いた彼は、再び静かに寝息をたて始めた。
そして今、洗顔を終えた彼が、どこかボオッとした様子で戻ってくる。
「冠くん、お腹空いたでしょ」
しかし、尋ねた私の傍に来ると彼は、
「ナッちゃん、ギュッてしたい」
ちょっと切なげな面持ちで、上目遣いに言ってきた。
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