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簡単にうどんでお昼を済ませ、ようやく元気を取り戻した彼と一緒に
羊羹を作り始めた。
中に入れる茹で栗を刻んでいる間に、その隣で彼が、こし餡に粉とシロップを混ぜ入れる。
そして、
「ナッちゃん、味見して」
小さいスプーンに餡を掬って目の前に出され、私は、それを口に含んだ。
「うん、美味しい。冠くんは味見した？」
程よい甘さに整った生地に微笑むと、「これから」と言った彼が
チュッと唇を啄んでから、もう一度唇を塞いでソロッと舌を入れてくる。
「んん……」
しかし、包丁を手にしている私は、身じろぎも出来ずに固まった。
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