第1章

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男は何もかもが嫌になり、自殺を決意し実行に移す。 だが、何故か運が良すぎて男的には運が悪すぎて、何度試みても失敗する。 首吊りを行った時は、1度目は紐が切れ2度目は枝が折れた。 飛び降りを試みた時は、1度目は電線に引っかかり、2度目はビルの屋上から飛び降りた直後、落下地点にワゴン車が停車して足の骨を折るだけに終わる。 練炭自殺を試みた時は、崖下に止めた車のフロントガラスが落石によって破損して失敗。 農薬を飲もうと試みた時は、自殺防止の為につけられている臭いを嗅いだ途端に嘔吐して、飲めなかった。 入水自殺を試みたら野生の海豚に助けられる。 海豚に助けられて海岸に戻り、砂浜に横たわった男の目に夜空に輝く満天の星が映った。 キラキラと輝く星を眺めていたら、自殺する事が馬鹿らしくなり流れ星に願う。 「自殺する気が無くなりました。 これからも、自殺を試みるような弱い心に戻らないようにしてください。 お願いします」 願いを唱えたあと立ち上がり、海に背を向け街の方へ歩き出す。 と、その時。 ドッガァーーン!! 願いを唱えた流れ星、否、隕石が砂浜に落下した音が海辺に響き渡る。 隕石は男に直撃してその身体を木端微塵に砕いていた。 これが世にいう「おやくそく」と言うものである。
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