4人が本棚に入れています
本棚に追加
「だからいいんじゃない。これは私じゃない、着ぐるみ着てるのと同じ。
だから七海、千晶達にも言うけど私がレイってことは秘密にして…
お願い。」
「顔形は夕貴だよ。分かる人にはきっとわかるよ。」
「そうかな?私は別人になった気持ちでやってるの。これで終わりかもしれないしね。」
「続けないと勿体ないよ。
スッゴい綺麗だし…
たぶんオファーもくるだろうし…。」
「来たときに考える。」
「せっかくのチャンスだよ。もっと貪欲に掴みなさいよ。私だったら自分から売り込みにいくよ。」
キレイになるのは嬉しい。華やいだ気持ちになるし、回りから注目されるのも嫌じゃない。
けれどそれはメイクをした私に向けられたもので、素の私が求められているわけじゃない。
そう思うと喜びも半減する。他人事みたいに思える。
進んでモデルをやろうと言う気持ちになれない。
最初のコメントを投稿しよう!