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とは言え一鷹くんは超が付くほどモテる。
弟の貴臣くんがミスターコン1位だったとは言え、僅差で2位の実力者だ。
予定通り部活終わりに男子コートに行ってみたけど、案の定女の子達に囲まれている。
女の子達は部活終わりの一鷹くんに声を掛けたり差し入れを渡したりして、満足したら帰っていく。
まだ時間がかかりそうだな…と思いながらコートを見渡すと、タオルを首にかけて汗を拭いている湊くんを発見したので声を掛けた。
「湊くん」
こちらに気付くと、笑顔で駆け寄って来た。
「あきらさんと木崎先輩」
「テニスどう?楽しくやってる?」
「はい、難しいけどすごく楽しいです!
今日は残って壁打ちして帰ろうと思ってて…」
「ほんと?
じゃあ私も一緒に練習して帰ろうかな」
「あ、あたしも一緒にやる!」
私の隣で一鷹くんを気にしながらもじもじしていた優里が突然大きな声を出したと思ったら、一鷹くんがこちらに向かって歩いて来ていた。
そして私達の前で足を止めた。
「あきらちゃんが連れて来てくれた八島くん、未経験とは思えないくらい上達早いよ。
いつも遅くまで練習してるみたいだし、すごい努力家だよね」
「そうなんだ。
それじゃあ新人戦楽しみだね」
私と一鷹くんの会話に少し恥ずかしそうに赤面する湊くん。
「ところで八島くん、今日も残る予定?
もしあきらちゃんと優里ちゃんもいるならダブルスしようか?」
「はい!ぜひ!」
それを聞いて優里が私の後ろで小さくヤッターと叫んでいる。
1時間程4人でダブルスをして帰路に着いた。
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