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黒板に貼られている座席表を見て、私は新学期早々絶望を感じていた。
「あきら、佐原くんの隣の席だねぇ」
優里は完全に他人事でニコニコしている。
「佐原くんかぁ…。
休み時間とか女の子達が来て騒がしそうだし超憂鬱…」
「あはは、あきらイケメンに興味ないもんねぇ」
確かにイケメンに興味無いし、佐原くんはファンが多いから変に目をつけられたくない。
一言で言うと、佐原くんは“チャラい”。
不特定多数の女の子との登下校は毎日だし、1年生の頃たまに校内で見かけた時は女の子との距離が近いなーって思ってたし。
男の子とはそれなりに話すけど、彼氏もいたことのない私にとっては次元の違う人だ。
かと言っていつまでも教室のど真ん前に突っ立っている訳にもいかないので、私は渋々窓側の自分の席に向かった。
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