決意

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ぼんやり空を眺めていた。 少し雲は有るものの青空が広がっていてすがすがしい。 授業が面倒だといつもこうしている。 開け放した窓から入る心地良い風が時折優しくカーテンを揺らした。 もう春かー 「葉」 いきなり後ろから声が飛んで来た。 ハッとして振り向く。 後ろの席は幼馴染みの咲希だ。 「何だよ」 俺は不機嫌そうな顔をした。 咲希は苦笑いしながら前を指す。 咲希が指す方に目を移すと。 「北條!貴様いい度胸じゃないか後で教務室に来い!!」 すごい形相の先生が立っていた。 ちなみに北條は俺の苗字。 キーンコーン カーンコーン チャイムが鳴り 挨拶をすると先生は教室を出て行った。 「いつもボーっとしてるからだよ」 再び後ろから飛んで来る咲希の声。 「お前には関係ないだろ!」 「そうだね。 全くの無関係よ でも一応お隣りさんだからね」 そう咲希と俺の家はお隣り同士なのだ 「そうだな。 今日は先に帰ってろよ」 俺は、そのまま鞄を持って教室を出た。 いつもは咲希を自転車の後ろに乗せて帰るのだが 待たせる訳にもいかないからな。
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