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「や、やめてくだひゃい」
「いいじゃん。減るもんじゃないし。ロボットでしょ」
卑猥な笑みを浮かべ、メイド姿のウエイトレスの腕をとり、すりすりとさする男性客がいた。
ここはメイドロボ喫茶。その名のとおり、働く店員も店長もすべてメイドロボという風変わりな喫茶店である。
しかし、メイドロボと侮るなかれ。その見た目も仕草も人間と大差ない。むしろ、プログラムさえいじれば、ツンデレからドジっ子までさまざまなキャラが演じられるあたり、人間以上の性能かもしれない。
が、それゆえに欠点もあった。
「う、ううー」
ダメっ子のキャラ設定がプログラムされたメメは、客からの嫌がらせやムチャぶりを断れなかったのだ。
「にょほおっ。いい感触。ロボとは思えませんなー。ふひひひ」
男性客は気持ち悪い声をだし、執拗にメメの腕をさすりつづけている。メメは今にも泣きだしそうな表情でされるがまま。抵抗すらしようとしない。ダメっ子のプログラムが充分すぎるぐらい働いていた。
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