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「痛っ……」
俺は独特の頭の痛みで目が覚めた。これは完全に二日酔いだ。
昨日の飲み過ぎたツケが回ってきたのだろう。ゆっくりと目を開けると自分の家の天井があった。
あれ? 俺は昨日松野さんと飲んでいて……記憶はないが家に戻っている。いつも酔っ払って記憶を失くした時は松野さんが家まで送ってくれていた。
だからこういうことは珍しくはなかった。またいつも通り松野さんが家まで送ってくれたのかと思いながらふと横を見る。
「うぇっ!?」
思わず俺は大声を出した。俺の隣に全く知らない女が寝ていたからだ。その女はすやすやと寝息を立てている。
「……え? 誰?」
しかも、その女は何も纏わぬ状態で眠っていた。自分自身、体の温度が高くなるのが分かった。
俺、どうしたんだっけ?
状況が掴めず、とりあえず落ち着けと自分で自分を宥めようとするが逆効果だった。思い出そうとしても松野さんと飲んでいたところまでしか思い出せない。
確かまだ飲み足りなかったのに無理やり松野さんがお開きにしたんだっけ?
それからの記憶が全くと言ってなかった。
「まじかよ……」
俺は頭を抱えた。昨日の記憶を頭の中で必死に呼び起こそうとするが、二日酔いのせいもあって頭がはっきりしない。
そんなことをしていたら俺の声で起きたのか、女は起き上がった。
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