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「それ! 私の!」
そう言って沈黙を破るようにベッドに押し込んでいた女が勢いよく出てきた。
「おい! お前!」
俺の静止を振り切りベッドから出てきた女を見て、夏奈は一瞬にして顔色を変えた。
……全てが終わった。
「誰よ、アンタ!」
「わたし?」
そう言うと女は自分の事をわざとらしく指さした。
「この状況でアンタしかいないでしょ!」
今にも殴り掛かりそうな夏奈を見ながら、謎の女はケラケラと笑っていた。
「私は~昨日ベロベロに酔っ払っていたこの人に拾われた者ですけどぉ~」
謎の女は追い打ちをかけるように夏奈をからかうような言い方をした。
「ちょっと、誠! どういうことなの!?」
「そういうことだからぁ……まぁ……もう言わなくても分かるでしょ?」
そう言って少し甘えた声を出し、意味ありげな表情を浮かべた。
「アンタに聞いてないわよ!」
「この人に聞いても何にも覚えてないよ?」
これは何かの間違いだと必死に夏奈に言うけど、そんなこと聞いてくれるはずもなかった。夏奈は早く出ていけと謎の女に詰め寄る。
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