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金なんていくらでもあったから整形をして俺達に近づいてもバレないんじゃないかと思ったらしい。
案の定、全然バレなくて面白かったと笑っている。まんまと恵の罠に俺と夏奈は引っかかったのだ。
「ちなみに夏奈の浮気も私が仕組んだのよ?」
「どういうことだよ」
「ただ普通に2人の仲を引き裂くなんて面白くないじゃない? 私が味わった悲しみや苦しみはそんなもんじゃないから」
やると決めたら最後まで何があっても貫き通す恵らしい考え方だとこんな状況でも思ってしまう俺がいた。
「松野さんって貴方の支店にいつ配属されたか
覚えてる?」
松野さんは確か2年前、恵が死んで少ししてから他の支店から転勤で俺の支店に配属になった。
「もしかして……」
「松野さんに貴方のことを監視してもらってたの」
夏奈を誘って浮気をしたのも全部計画だったらしい。
「この計画を立てる為にはどうしてももう1人必要だったからね。葬式の手配とか全部してくれたのは松野さん」
「あの人、何者なんだよ……」
「それは……知らない方がいいと思う」
そう言って恵はニコリと笑顔を作ったが、目は笑っていなかった。
「夏奈、今頃酷い捨てられ方されてるはずよ。どうなってるかな? もしかしたらもう売られてるかもね?」
「えっ……」
「まぁ絶対別れないから誠をくれって言ったのに浮気なんてするからそうなるのよ」
もう会えないかもね? とまた笑みを零すが、その顔が何とも言えず怖かった。
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