一章

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side藤本 作業を始めて30分。 明日の会議内容は今期の一大プロジェクトのようで、気合の入ったカラー写真と棒グラフでいっぱいのとにかく膨大な資料だった。部長から手伝いに指名された時は、本当に口から心臓が出そうなほど驚いた。今までずっと不審な態度を取り続けていた彼と2人での資料作り。不安8割と期待2割を胸にドアをノックしたら、とても驚いた表情でこちらを凝視する彼と目があった。 ちらりと彼の横顔を盗み見る。いつもよりだいぶん近い彼の整った顔がそこにはある。また心拍があがり始めてまた目を逸らした。顔に熱が集中する。 しかし、ふと感じた違和感にもう一度彼を見た。心なしか頬が赤い。そんなに部屋は暑くない。口元も緩く開いていて、いつもと少し雰囲気が違う。 「あの」 「えっ?」 思わず声をかけてしまった。やっぱり驚いた後、彼は怪訝そうな顔をしている。こうなっては後に引けないと思い、勇気を出して次の言葉を繋げた。 「あの、どうかしましたか?」 「っ──突然、なんですか」 まさかの言葉に彼は面食らった顔をしたのを見て、またやってしまったと思った。 ──どうしましたか?って私がどうしたんだよって思われるよ!突然だし質問もざっくりしすぎだよ、私! 「あ、ああえっと……大江君、なんだかいつもと違う気がして……体調でも悪いのかなって。な、なんでもないなら別に……」 「!?」 後半は尻すぼみに小さくなる私を、身を仰け反って凝視する彼。いつもと違うなんて、、私がいつも見ているのがバレてしまうと気づき、恥ずかしさで俯く。呆れてるかな、やっぱり怖がられてるかな。。 .
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