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side藤本
頭は真っ白、多分顔は真っ赤。
もうなんて話したらいいかも纏まらず、ぐちゃぐちゃした頭を整理することもできないくらいパニックで。それでも彼の誤解を解かなくちゃ、と思い、震える指を膝の上でぎゅっと握りしめた。そして大きく深呼吸を1つしてゆっくりと、まるで自分に言い聞かせるように「ちがうの」と顔を上げた。
今日何度目だろう、彼と視線が合うのは。今までずっと見透かされそうで怖かった視線は、真っ直ぐとこちらを向いていて、私の答えを待っているようだった。もう逃げちゃダメだと思った。彼の視線からも、自分の気持ちからも。
「ちがうの。私、こんな風になるの初めてで、どうしていいか自分でもよくわからなくて……。初めて大江君に会った時からずっとずっとこうなの。目が合うと、話しかけられると緊張して恥ずかしくなって……つい、突き放したみたいな態度を取ってしまって」
少しずつ、彼にも伝わるようにゆっくりと伝え始めた。まだ恥ずかしさは消えないけど、心なしか始めより緊張が解けている。少し驚いているようだったけど、彼も目を合わせたまま真剣に聞いているようだった。
「だ、だからその、嫌いとかじゃないの!私の問題であって、大江君は何も悪くないの。ややこしい態度とってごめんね。ちゃんと隠そうと思ってたのに、まさかそんな風に見えてたなんて……嫌な思いさせて、ごめんなさい」
相変わらず顔から火が出るほど熱くてたまらないけど、伝えたい気持ちが大きかった。思わず声が大きくなっていた。
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