皆川編 迷子襲来-2

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ところが、疲れているのになかなか寝付けない。 かといってあまりゴソゴソやると彼女に身体が触れてしまう。 しばらく辛抱したがたまらず、一度起きてミニバーのビールを一気飲みし、また布団に入った。 ようやくウトウトし始めた時、枕元の携帯が鳴り始めた。 大きなため息が漏れる。 おそらく香子だ。 香子は僕の昔の恋人で、大学時代から腐れ縁のように続いてきたが、八年前、僕が渡米する際に互いが合意して別れ、その後彼女は結婚した。 ところが、図らずも再会することとなった。 セミナー講師に病欠で穴ができてしまい、追加で選定した人物が彼女だったのだ。
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