皆川編 迷子襲来-2

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続いて「ひぃ」と小さく息を飲む音が聞こえた。 その驚きぶりからして、どうやら酔っ払いは驚きのあまりアルコールが飛んだらしい。 そして、どこからどこまでか知らないが、記憶も飛んでしまったらしい。 彼女は裸、僕も裸。 この状況は普通に“事後”だろう。 ここで裸でコンニチハするのもややこしいので、卑怯な僕は寝たふりを決め込んだ。 さて迷子はどうするのか。 そろそろとした手つきで髪が放され、息を殺して僕の様子を窺っている気配がする。 (寝たふりがきつい……) すると、有難いことに彼女は“裸で眠る怪しい男”の覚醒を恐れたらしく、僕の観察をやめてにわかに携帯と格闘し始めた。 隣で携帯の音が揺れているのが可笑しくて笑いそうになり、「うーん」と唸ってごまかした。
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