皆川編 迷子襲来-2

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身体の下から上掛けを引きずりだそうとして彼女に手をかけた時、彼女が目を開けた。 ぼんやりとして、目の焦点が合っていない。 まだ酔っているらしい。 「布団をかけますから、少し身体を起こして下さい」 声をかけると、意外と素直に彼女は起き上がった。 彼女が座っていない方の半分の上掛けをめくり、そこに促すと、彼女はもぞもぞと移動した。 横たわらせ、布団をかけてやる。 「では、ゆっくり休んで下さい」 ところが一度目を閉じた彼女は再びむっくりと起き上がった。 「……暑い」 布団は余計なお世話だったらしい。 空調を調整しようとヘッドボードを覗きこんだ僕は、何やらゴソゴソ音がするベッドを振り返って目を剥いた。 彼女がワンピースを脱ぎ始めたのだ。
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