逆転

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それから彼女は、すぐさま台本を書き始めた。 俺は、読み込んだこの小説を事細かく彼女へ伝える。 主人公が殴られるシーンは赤、星に願うシーンは青のライトで照らそう。 カエデと俺が交互に言い合うシーンは、原作より少しだけ迫力を出してみよう。 そんな話し合いが楽しくてたまらなかった。今日は眠さなんて吹っ飛んでいる。 1時間程、のめり込んだ。 夕暮れの赤が、夜空の青に変わろうとしている。 「はあ~、楽しい!」 1段落すると、彼女はウゥーンと背伸びをしながら椅子から立ち上がる。 俺は、喉が渇いてきた事に気づいた。 台本や演出の話に、かなり夢中だったのだろう…。 「飲み物買ってくるわ!」 俺は、自販機にジュースを買いに行く事にした。
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