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犬や猫ではないのだから、拾ってきたなんて言い方はやめてほしい。こんな無礼極まりない発言を、王宮の使用人が聞いたらどう思うだろう。
そんなことは、考えるだけ無駄ということも承知済みだ。
「しょーがないな。フィオ、オレから離れるなよ」
「あ、ああ……。世話になるな」
「げほげほ…ほら、この話はもう終わりだ。アカネ、晩飯は取ってこられたのか?」
「おう、今日はこれ」
アカネが差しだしたのは、先程男性から盗み取ったパンの袋だった。
「なぜ、自分達で買わないんだ?」
「金が無いからに決まってんだろ。そんなことも分からないくらい馬鹿なのかよ」
「バッ……、私はこれでも王立学校の主席で――」
ついカッとなって拳を握り締めるが、すぐに自分の身の上を思い出して口を噤んだ。そんなフィオを一瞥すると、アカネは小屋の端にあった空の木箱を取り出した。そして邪魔だと言ってフィオを追いやると、木箱をひっくり返してその上に蝋燭を置く。これが机(テーブル)の代わりなのだろう。レノルフェも寝台(ベット)から降りて床にあぐらをかき、三人は木箱を囲んで座った。
「うわ、何だよ。これしか入ってなかった」
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