皆川編 迷子、再び

22/28
前へ
/28ページ
次へ
五階フロアはセキュリティの厳しい部門が集められているため、あまり人の出入りがない。 無人の廊下に二人。 しかも至近距離だ。 おまけに、今さら素知らぬ顔で通り過ぎるには無理がある派手なリアクション。 完全に彼女が逃走不能になったのを見届けると、僕はゆっくりと視線をはずして携帯をしまい、再び視線を戻した。 人によると、僕の第一印象はあまり優しそうには見えないらしい。 実際に言われたのはそんな生ぬるい表現ではなかった気もするが、とにかく子供や動物に好かれた記憶は一切ない。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1923人が本棚に入れています
本棚に追加