エピローグ

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テスカの足の火傷は内部までをも炭化させていた。 ゆえに膝から下を切り取らねばならなかった。 あの日ドラゴンの力を目の当たりにした三国は、ドラゴンの指示により、即日、和平を中心とした三国同盟を締結している。 その証しとして下されたシバルバー、アマル両国の優秀なイシュトルリトン(医師団)により、手術は無事に成功を迎えた。 ちなみに両国に最初に掛け合ってくれたのは、ドラゴンのハーレムにいたメツトリという、元イシュトルリトンの長を勤めた女性であった。 失われた両の足は数ヶ月をかけてゆっくりと癒え、痛みがなくなった頃を見計らい、ドラゴンから餞別としての義足が贈られた。 素晴らしく丈夫な金属製のそれは、細身の黒い甲冑に似ている。 膝にはめればピッタリと馴染み、動こうと思えば意思通りに動く。 訓練すれば、走ることも可能になるかもしれない。 ドラゴンの心遣いを、テスカはありがたく思った。
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