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弱国の皇子テスカ
国境を岩で覆われたマヤウェル王国の若き皇子テスカは焦っていた。
先だって開かれた軍略会議において、隣国シバルバー王国とアマル帝国の宰相が同時に以下のような言葉を述べたからである。
つまり、かの黒きドラゴンの目的は今だ判然としない。
ドラゴンの存在は必ず諸国に災いを為すものである。
今こそ我ら手を取り合い、奴を滅すべき。
(※以前に化け物から三国を救ってくれたドラゴンという生物がいる。三国に対し見返りに何かを要求すると宣言したものの一向に姿を見せないという経緯がある)
この申し出に対するマヤウェルの返答は極めて慎重であった。
だがマヤウェルの宰相パイナルが、二国の進言に強く心動かされていくのをテスカは感じた。
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