染まる

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思うに感染とは気付いてしまってからでは全くの手遅れなのだ。健常に思われているうちでも病は身の内に潜んでいるのみに過ぎない。 症状が現れて初めて感染したことが己の知るところとなるのだ。 熱に浮かされてぼんやりとした頭でそんなことを考えていた。 そう、つまり僕はとっくに手遅れなのだ、と。
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