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彼女の部屋は小綺麗な1DKのマンションだった。
彼女は名前を周藤美晴といい、去年大学を卒業し、小さな印刷会社の受付兼事務として働いていて、付き合って1年になる彼氏がいる。
そんなことを語りながら、彼女は花見の屋台で買ったたこ焼きや焼き鳥やいか焼きやを机に並べて冷蔵庫から缶ビールを取り出した。僕には屋台のラムネを。
彼女の飲みっぷりは素晴らしかった。そして缶が開くごとに何故彼女は僕を誘ったのかという謎が氷解した。
もの柔らかな美人という印象だった彼女は酔うと仕事と彼氏の愚痴を延々と吐き続ける面倒くさい女に成り果てた。つまりは愚痴聞き相手が欲しかったのだ。
その後、酔いつぶれてしまった彼女をベッドまで運び、缶と屋台のトレーを片付け、僕はソファを借りて目を瞑った。慣れない酔っぱらいの相手に疲れたせいか、眠りは深かった。
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