染まる

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ある日、緊急との連絡を受けて来てみれば顔を火照らし立つのもやっとな状態の彼女がいた。僕は慌てて氷枕を用意し、体温計を探し、りんごをすりおろした。 なぜ彼に連絡しないのかと聞けば、泣きそうな声で出張との答えが帰ってきた。 しばらくして彼女は眠りにつき、ほっとひと息つく。 顔はまだ赤いがその熱さは幾分ましになっていたし、呼吸も落ち着いていた。この分ならもう大丈夫だろう。 予想通り翌日には彼女はすっかり元気を取り戻した。 ぐだぐだに酔いつぶれた翌日のように何もなかったかのような顔でけろりとしていた。彼女の回復力にはいつもながら感服する。 かわりに僕が寝込む羽目に陥ったのはその三日後のことだった。
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