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「ちょっとレオード! 聞いているの?」
私は自身を呼ぶ声に振り向くと、そこには怒りの表情を浮かべ私を睨んでいるパートナーの少女がいた。
まだ年端もいかず、痩せていて一見頼りなさそうに見える少女であるが、立派な私の主人だ。その証拠に私たちデュラハンをを使役するための装置として機能する腕輪「パペットの糸」を装着している。
「すまないリーオ、考え事をしていた」
「もう! 次の作戦は失敗できないから話し合おうっていったのは貴方なのよ!?」
彼女のようにデュラハンを使役できる存在は戦争の要だ。
パペット・スクリプトは私たちに腕輪を通じて魔力供給を行うことができるため、私は彼女がいることによって力を何倍にも引き出せる。
次の作戦で、どのようにして彼女を守りながら戦うのか作戦を立てようとしていたのだった。
「これからは気を付けよう。それよりも……」
私は、リーオの持つ次の作戦場所の地図に目をやった。
「話を逸らさないでよね……。まぁいいわ、続ける。次の作戦場所は私たちが今いるこの町から約十キロ離れた霧の森よ」
「霧の森か……なかなか厄介な場所が戦場に選ばれたな」
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