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学校の最寄り駅に電車が止まる。 たくさんの人々が降車する。まさに老若男女入り混じった状態だ。人の流れに沿って改札へと向かう。 その時だったー 微かにだが確かに見えた。改札を出てから見えるビルとビルの間に確かにそれはあった。 「なんだ…あれ」 「ん?どしたん」 「いや、ほら、あれ」 自分が指で指した先にあったのは、肉の塊……肉の繭と言った方がしっくりくる様相のモノだった。 他の人々もそれに気づき始め写真、動画を撮り始めた。その瞬間ー 一閃。肉の繭が何かをこちらに飛ばした。豪快に地面を抉り舗装されたアスファルトを吹き飛ばしながら突き刺さる。何人か巻き込まれたようで血しぶきと鉄臭さが漂う。 周囲が悲鳴と怒号に包まれるのにそう時間はかからなかった。 「うわああああああああああ」「きゃああああああああ」「なんっなっだよこれぇ」「くっさくっっっっおえぇぇ」「やばいやばいやばいって」「おい逃げんぞ」 蜘蛛の子散らすとはよく言ったもので散り散りにその場から人が去って行く中、自分は一歩も動けずにいた。 「どうしたの大地。ほらは早く逃げようよ」 腕を引かれてやっと走りだす。走りながら振り返った自分の目に飛び込んで来たのは、肉の繭の放ったナニかが人を飲み込む光景だった。 「これって…あの事件と同じ…」 いつもと変わらない日常のピースの一個が弾き出される、そんな感じがした。
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