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2026年4月2日AM1:34
「…出来た…ついに出来たぞ…。」
幾つかのPCのスクリーンだけが煌々と輝きを放つ2
0畳はあろう暗室に、男の声とデスクトップの微かな
モーター音だけが響く。
日本国某所、この声の主と幾らかの政府高官、そし
て研究員のみ所在を知らされているこの暗室のある
建物の名は「早苗田研究所」。
この秘匿された建物で行われている研究は人類の進化を決定的にするものだった。
このころ、どこにも記録は残っていないが人類は新たな力、可能性に目覚めていた。それを通称「意思現象力」と言う。
その力は簡単に言えばサイコキネシスのような代物である。個人差はあるものの、物を浮かせたり、動かしたり、強力な者は瞬間移動まで体現した。
そこでこの力を秘密裏に研究し、解析したのが 早苗田研究所 所長 早苗田敏郎博士 である。博士は非常に強力な「意思現象力」を有する人物7人を対象に脳の解析を行った。
結果完成した研究結果が、活動時意思増幅回路 通称: AIAC (Activity Intention Amplification Circuit)である。博士が構想し世界的に事業を拡大している岡嶋重工が製品を完成させた。
このAIACで通常の意思現象力を約1.6倍まで高めることが可能になり大きな技術革新となった。
だが、栄光の影で大きな野望が静かに確かに根を張っていった……。
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