嵐の夜の先に

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 荒くなった息を、優人は必死で整えようとした。しかし、男の口での愛撫はどんどん激しくなる。残酷なほどの快楽が、波のようにおしよせ、優人の理性を浸食していく。 「たけ、ばやしくん、あっ……あの、俺……あっ……俺もっ」  打ちつける波のような絶頂感が腰におしよせ、優人は必死で頭を左右に振る。 「俺も、帰りたいっ……ああっ、いや……嫌だっ……んっ」  泣きじゃくりながら絶頂感を逃がす。 「ユートさん……」 「もうやだ……帰る。帰りたい……ん、あっ」 「ユートさん」  誠一郎の声は気持ちの悪いほど静かで、それでいて今まできいたことのないほどの怒りをたぎらせていた。 「僕、むかえに行っていいですよね。行きますからね」
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