嵐の夜の先に

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 優人はもう答えることができなった。  上体を大きくそらせ、泣きながら男の口の中に長く長く熱をはなった。  誠一郎と一緒にすごしていたときから、たまりにたまっていた欲望が、蓋をあけてしまったように一気に体中をかけぬけた。  泣きながら喘いだ。  いやらしい自分を制御できない絶望と、誠一郎に知られてしまったショックと、それをおしつぶすような圧倒的な悦楽――すべてがないまぜになって、はじけとんた。  頭の中に火花が飛び、真っ白にスパークした。  そのあとは、なにもわからなくなってしまった。
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