再会

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   誠一郎はどんどん減っていくキャベツの山をみつめた。マヨネーズが細いヒモのようににょろりとかかっている。それを彼の箸がかきまわして、重機のようにすくいあげ、口にはこぶ。あれがなくなったら、彼の食事は終わりだ。  誠一郎の身に現在進行形で起こっている「再会」という奇跡も、そこで終わってしまう。  そう考えたとたん、誠一郎は憤然と食事を始めた。彼の食後の一服が終わる前に、自分も食べ終えてしまおうという勢いだった。  食事を終え、目を細めて食後の一服を堪能する彼は、文句なしに幸せそうだった。 「ん? なに、俺の顔になんかついてる?」  笑いジワをつくったまま、面白そうに誠一郎にたずねる。 「いえ、うまそうっすね」  ふふ、と笑う口元から、ふわと紫煙が漏れて周囲をただよい、誠一郎の頬をなでる。 「うん。うまいの」  うっとりと微笑む様子は、飼い主の膝でくつろぐ猫のようだ。満足そうな顔は、男性だというのに、このうえなく可愛らしかった。そして彼があのユートであることを、誠一郎は確信した。
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