伝説

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夜空に浮かぶたった一つの月 夜空に浮ぶ無数の星 月と太陽は生物が生きるための光を。 星は人の善悪を見守るために 星は人間の数だけ毎夜輝き続ける存在。 (中略) 一人に一つの星が人間の善悪を見守るため。 そして人間の無尽蔵ともいえる欲望を可能な限り尊重するため。 特に人間の『欲』とは生きる為の糧である故に 星は常に我々人間を見守っていると伝えられています。 それ故にでしょうか。 「善人が願えば願いは叶う」 大人は子供にそんな風に説明する人が多いのが実情です。 しかし私は星の役目は見守るのではなく 「監視」という方が正しいのではないかとつくづく思うのです。 (中略) どこからともなく表れる大小様々の星は 赤・灰色・オレンジ・青・黄色・紫・緑などの 様々な色彩を放ち輝く存在。 そして人の前に現れては儚く消えてゆく星。 これらの星は「星屑の記憶」と呼ばれ 罪人(つみびと)達は無言で星を掬い続け 自らの過去の過ちを償う糧にするのです。 永遠にとも思える時間の中で。 (中略) 罪を償い終われば 1つだけ願いを叶えてもらえるといいますが 真相は定かではありません。 何故ならそれは我々のような純粋な善人には 決して縁のない世界なのですから。
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