第4章 『破壊魔法』デモリション

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「あら、シルフィーありがとう。」 「いえ。……あら?クソ兄貴来ていたの?」 「くふぅぅんッ!こ、こらシルフィー!お兄ちゃんを、そんな呼び方するんじゃない!」 どことなく、カルシファーに似ていると思っていたのだが、どうやら兄妹であるらしい。ニコニコ顔と、黒髪の長さも肩下ぐらいで一緒だ。強いていうなら、服装とカルシファーはセンター分けで、シルフィーが一九で左に流しているぐらいの違いだろうか。 しかし、カルシファーは先程から変な声を発しているが、体というか頭は大丈夫なのだろうか? 「黙っててください。この生きてる価値のない出来損ないが。」 「あぁッ!あふんッ!!」 「……。」 (え!?なにこれ?これが兄妹の会話?) シルフィーの、優しそうな印象とは打って変わった言葉使いに、人は見かけによらないんだと俺は学習するのだった。 カルシファーは、うずくまり何やら悶えている。見ていて少し気持ち悪いのだ。 「お待たせ……。」 「あ……。エリゼベート。」 中庭に入って来たのは、ストレートヘアーにブロンド髪をおろしたエリゼベートであった。 彼女は、目を合わせようとはせず、斜め下を見るようにしている。それもそうだろう。生の胸を見た相手が、目の前にいるのだから気まずいに決まっている。その気持ちが、痛いほど分かるのは俺も気まずいからなのだ。 そんなエリゼベートは、深紅のデコルテワンピースを着て、その上に黒いコルセットを巻いてる格好だ。ショーツが見えそうな短いスカートからは、生足が顔をだしており、足には赤いウェッジソールタイプのパンプスを履いている。 しかし、俺はどこか違和感を感じている。数日前に見たエリゼベートの胸は、確かに8歳しては早熟とさえ思えた大きさではあったが、あれよりも更に1カップ大きくなったように見えるのだ。やはり、先程から幻覚が見えている俺の目がおかしくなったのだろうか? 「な、何よ!?」 「い、いや何にも……。」 彼女は、俺の視線に気付いたのか目線を合わせてきた。慌てて俺は、その邪に染まってしまった目をそらしてしまうのだ。 「あら、グリムちゃん気付いたの?おませさんね……。」
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