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「あら、シルフィーありがとう。」
「いえ。……あら?クソ兄貴来ていたの?」
「くふぅぅんッ!こ、こらシルフィー!お兄ちゃんを、そんな呼び方するんじゃない!」
どことなく、カルシファーに似ていると思っていたのだが、どうやら兄妹であるらしい。ニコニコ顔と、黒髪の長さも肩下ぐらいで一緒だ。強いていうなら、服装とカルシファーはセンター分けで、シルフィーが一九で左に流しているぐらいの違いだろうか。
しかし、カルシファーは先程から変な声を発しているが、体というか頭は大丈夫なのだろうか?
「黙っててください。この生きてる価値のない出来損ないが。」
「あぁッ!あふんッ!!」
「……。」
(え!?なにこれ?これが兄妹の会話?)
シルフィーの、優しそうな印象とは打って変わった言葉使いに、人は見かけによらないんだと俺は学習するのだった。
カルシファーは、うずくまり何やら悶えている。見ていて少し気持ち悪いのだ。
「お待たせ……。」
「あ……。エリゼベート。」
中庭に入って来たのは、ストレートヘアーにブロンド髪をおろしたエリゼベートであった。
彼女は、目を合わせようとはせず、斜め下を見るようにしている。それもそうだろう。生の胸を見た相手が、目の前にいるのだから気まずいに決まっている。その気持ちが、痛いほど分かるのは俺も気まずいからなのだ。
そんなエリゼベートは、深紅のデコルテワンピースを着て、その上に黒いコルセットを巻いてる格好だ。ショーツが見えそうな短いスカートからは、生足が顔をだしており、足には赤いウェッジソールタイプのパンプスを履いている。
しかし、俺はどこか違和感を感じている。数日前に見たエリゼベートの胸は、確かに8歳しては早熟とさえ思えた大きさではあったが、あれよりも更に1カップ大きくなったように見えるのだ。やはり、先程から幻覚が見えている俺の目がおかしくなったのだろうか?
「な、何よ!?」
「い、いや何にも……。」
彼女は、俺の視線に気付いたのか目線を合わせてきた。慌てて俺は、その邪に染まってしまった目をそらしてしまうのだ。
「あら、グリムちゃん気付いたの?おませさんね……。」
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