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「病気!?エリゼベートは、大丈夫なんですか?」
「ええ!今のところ問題ないわ。でも、その病気のせいで『純粋吸血』のサイクルが短くなってしまったのよ!」
「……?ヘルゼ様、何をおっしゃっておられるのですか?『純粋吸血』の病気?確か期間は変わらず、5ね、ぐふッぅぅぅんッ!!」
次は、ヘルゼの肘が入った様に見えてしまう。やはり、カルシファーは気持ち良さそうな顔をしているので、錯覚なのだろうが、俺は念のため目を擦っておいた。
「え?サイクルが短くってことは、5年の期間が短くなったと言うことですか?」
「そうなのよ!グリムちゃんが協力してくれるなら助かるんだけど……?」
「そりゃあ勿論!だって命に関わる問題ですよね?」
「え、ええ!そうよ!グリムちゃんが優しい子で良かったわ。本当にありがとうね。カルシファーちゃんも、病気のこと知ってるわよね?」
「あふぅん!は、はい!?一体奥様は、何をおっしゃっておられるのでしょうか?」
「病気になった時の吸血サイクルは、どれくらいだったか知ってるわよね?グリムちゃんに、その期間を教えてあげてもらえるかしら?」
「……。え、え~と。1ね、ウフっ!ンッフンっ!」
2発入った気がするのだが?やはり、カルシファーは苦しそうな顔をしないので幻覚なのだろう。しかし、『何が起こっているのか分からない』といった感じにカルシファーさんの頭から『?』マークがいっぱい出ている気もする。
「カルシファーちゃん?期間が、長過ぎるように聞こえたのだけど?もう一度お願いしできるかしら?」
「は、はいぃん!で、では1に、ブッふっーー!……はぁぁぁぁぁッ!!」
次は、特大のパンチがめり込んだ気がしたのだが、やはり幻覚だ。それは彼が、今までで一番いい顔をしているのだから。
「それは、ちょっと早すぎるわねぇ~。」
「?……。で、では1ヶ月!」
「……。そうね!そのぐらいだったわ!」
「……。」
(何か病気なのに、適当な感じがするのだけど大丈夫なのかな?)
「奥様。お待たせいたしました。」
現れたのは、アーチさんの様なロングスカートのメイド服を着た、華奢な体つきの黒髪の女性であった。細い体ではあるが、程よい大きさの胸をしていて、顔はニコニコとしている。優しそうなお姉さんといった印象だろうか?
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