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「フンッ!」
鼻を鳴らすアイザックは、どうやら納得してくれようだ。
「そうですね。私も、詳しい話をお聞かせ願いたいです」
そう言ったのは、魚人の国の王であるアクス・アクアだ。落ち着いたハープのような声質の彼女が喋るだけで、少し場の空気が和んだ気になる。
「私も、その『黒騎士』とやらは存じておりませんが、出来ることは致しますよ」
この声の主は、ルキフェル、バルバトロイに続く五大魔王の1人、クロス・バンデットだ。男性なのだが、どこか色気を感じる声をしている。
「リディアもやるよー!」
「俺も……まぁ、暇だったら手伝ってやるよ……」
そう続けて答えるたのは、サキュバスとインキュバスの王であるリディア・ナイトメアとヴァン・アルカードだ。どちらもチャラついた声をしているが、一方は元気が良く、もう一方は無気力な印象である。
「ヴァンあんたね! 何なの!? そのやる気のない言い方! そんなんだから童貞なのよ!」
「は、はぁ!? ど、童貞ちゃうわ! そ、それを言ったら、お前だってサ、サ、サキュバスの癖に処女だろーが!」
「ちょ、ちょっとぉッ! 此処で、それ言わなくていいでしょー!?」
「ふざけてんのか? 先に言ったのはお前だろーが、リディアのアホ!」
「キィーー!! 腹立つなァー!」
「何だよ?ヤンのかよ!?」
「静かにせんか!今は会議中であるぞ」
そう2人を止めるのは、先程の騒いでいたバルバトロイであった。誰も、そこにはつっこまないらしい。一応バルバトロイの国であるバートリッヒ魔王国は、この2人の国を管理下に置いている。
「「す、すいません。先生」」
バルバトロイは、昔学園の教員と理事長もしていたのだ。その元教え子であるのがこの2人である。なので2人は、バルバトロイに対して絶対的な信頼をおいているらしい。そう思うと、彼等の国は理想的な国の関係だった。ルシファリス魔王国はというと、夜月・羽衣のミストレス魔王国ともう1つは……。
「…………」
この無口な竜人のムムト・ドラグーンが守護している国。ドラグーン魔王国が、ルシファリス魔王国の管理する2国なのだ。どちらも癖のある人なので、関係を築き難いのが大変ですが、そこはこれから頑張るとしましょう。
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