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無口と言えば、もう1人の魔王を思い出す。
「そういえば、ガレオンさんは外におられるんですか?」
ガレオン・トールは、巨人族を束ねるトール魔王国の守護者で、彼は無口というか極度の恥ずかしがり屋なのだ。彼は、身体が巨大過ぎて会議室まで入れないので、いつも『魔会議事堂』の外で座って待っているらしい。
「せやでー! あとで俺っちが、ガレオンに会議の内容を話しとくで大丈夫やー!」
僕の問いにそう答えてくれるのは、アンデッド族の守護者であるグレコ・ダヴィドだ。彼とガレオンは、旧知の間柄らしい。つまりは、僕とバルバトロイのような仲なのだろう。そんな彼は、そのまま言葉を続ける。
「あいつ待たしとるで、はよー話戻してもらいたいんやけど?」
「あっ! 話が脱線してしまいましたね。夜月さん、お願いします。」
「う、うむ……。しかし、何を話せばよいのじゃ?」
「俺っち、その『指名手配書』とか見てへんで、『黒騎士』の格好とか、その出会った時の詳しい状況が知りたいやけど?」
「私も、グレコさんと同じ事を思っておりましたわ。」
グレコとアクスは、真面目な問いを夜月に投げかけてくた。
「そ、それもそうじゃな! では申すぞ……。昨日の宵の時刻に、妾の国とガルネシア国の間にある湖で泳いでおった時の事じゃ。笛の音が聞こえたので、そこに行くと全身真っ黒な鎧兜で身を包む、小童がおったのじゃ。立ち姿と声からして、男児で間違いないないじゃろう。見た感じ9~11歳ぐらいの身長じゃろうか? それと赤いマントもしておったな」
「アイザックのとこの、シータが言っていた人物と同一人物であるか?」
「ああ! 俺様も、今朝その『指名手配書』を見た時にそう思ったぞ。さっきも言ったように、『黒騎士』は娘の恩人だ。その恩人に、『指名手配書』を出した理由を聞くために、わざわざ俺様が今回だけ集会に来てやったんだ。夜月、ちゃんとした理由があるんだろうな?」
「うむ! 理由であれば簡単じゃ! そやつには、妾の魔眼が効いていない可能性があるのじゃ!」
「「「「「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」」」」」
「そんな馬鹿な事があるのであるか? お主の魔眼は石化耐性など無意味であろう?」
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