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4頭の馬が引く馬車は、たくさんの建物が建ち並ぶ共和国から出ると、景色は森林に覆われた大自然に様変わりしていく。
舗装されていない道を走っているので、4輪から伝わる振動は乗客の2人に伝わってくる。
ワタシは、窓枠に肘をおいた格好で早く目的地に着かないかと、足組をしている側の足を揺らしていた。気持ちが急いているのと、"気分が悪く"なってきたのだ。自分が走った方が速いので、この様な遅い乗り物に好んで乗らない為、体が慣れていないのだ。
つまりは、乗り物酔いである。
「しかし、シータのその服装はどうにかならんのカルシウム? 目のやり場に困るのだ外見……むっ! 今のは上手かった内緒。ブフッ!」
向かい側に座るホークアイは、愛着のある黒いライダースーツに文句をつけてくるので、少しだが頭にきたのと気分が悪いのが相まって言い返してやる。
「お前の為に着ている訳ではない。それなら、お前のその座り方も止めろ」
ホークアイは腰掛ける事が嫌いなのか、いつも椅子の上に足で上ると、そこでしゃがむ様にして座るのだ。お尻で足首からかかと付近に座り、決して腰掛けようとはしないのである。
「これは癖のようなもの大吉」
「ワタシもそのようなものだ。それより、どう『黒騎士』を誘い出すんだ?」
この作戦は、ホークアイが考えたものであり、男への報告や命令も全ては言われたことを、ワタシが伝えただけのものだ。つまり、ワタシも作戦の全容を知らず、御者をつとめている男をどう利用すれば、『黒騎士』を誘い出せるのか理解できていない。
「まず、目標の相手がどこにいるかも分からない状況では、打つ手がないのは明らかだろ海」
「お前が、誘い出せると言ったぞ?」
「俺は、『かもしれない』と始めに言ったつもりだった骸骨? あの男に、『今後一切魔族拐いは止めろ』と言ったなら、どこかであの男を監視しているかもしれないと予測しただけの話脱色」
「……。なら始めにそう言え」
「いや、言ったのだが南無……。とりあえずエルフを迎えに行き、その後シータには馬車の追尾をお願いした胃腸。俺は、なるべく話を広めて『黒騎士』の耳に入るようにするつもり大地」
「まぁ、聞いても分からん。そうすれば、『黒騎士』が現れると言うことか?」
「分かりやすく言ったつもりだったガス……まぁ運がよければの話だが茄子」
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