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どうやらリリの発言から察するに、グリフィンは沢山の宝石に囲まれた幻覚でも見ているのだろう。だからなのか、グリフィンは舌をだらっと垂らして、目がハートになっていそうな表情で、とても幸せそうに見えるのだ。
「そのまんま逝きんしゃい」
「いっただっきまーーーーーーーーーーすッ!」
そして、ララが巨大な包丁の上に乗りながら、グリフィンの首を食事前の挨拶と同時に一刀両断した。
見事な姉妹プレーだ。
ララは、彼女の体に不釣り合いな、2本の巨大な鬼包丁を武器として使っている。切断に使用していないもう片方の鬼包丁は、肩に担ぐ様に持っているようだ。そのまま地面に突き刺さると、そこが震源地となり地震が発生した。
俺はその揺れによって尻餅をついてしまうのだ。
(何なのこの魔人達……? 皆、凄く強いんじゃないのか!?)
「わーい! 珍しい食材ゲットしましたよー? ララ頑張りましたー!」
彼女は満面の笑顔でこちらに手を振ってくるのだ。
「あらあら、どうしたの?」
「ほう? グリフィンか! 今日はグリフィンの肉も料理に出すか? 我は食いたくなったぞ!」
両親も駆け付けてきて、親父がそう言うもんだから「ララが料理してもいいですよねーー?」と言いながら、ララは地面から引き抜いた大きな包丁を振り回している。
母達と一緒に、ヘルゼさんも来ていたようだ。
「エリゼ大丈夫? 何があったの?」
「あ、あの……」
「はい! はーい!! レレが説明しまーすッ!!」
俺がヘルゼに状況を説明しようとした時に、草むらから急に出てきたのは、メイド5人姉妹のレレであった。元気のある声で、挙手する彼女は何かを発表したいようだが、彼女が出現するとろくなことにならない気がしてしょうがないのだ。
「レレは何時からいたんだよ!? 最初からじゃないと説明にならないぞ?」
「はい!! レレは最初から聞いていたので心配ご無用だよー!!」
そうレレが発言する間に、切られた頭部を軽々と持ち上げているセバスチャンが俺の後ろに回ってきた。
(何故に俺の後ろに!? 父さんの所いけよ! 暑苦しい!)
「それならレレに報告をお願いしようかしら?」
笑顔で母がそう答える。
(あれ? これって変なフラグ出てないか?)
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