第1章 『親不孝者』グリム・ルシファリス

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「ではレレが聞いていた会話の内容をお伝えします。まずは、エリゼベート様です『……ゆ、許さない!』この時のエリゼベート様は、自分の身体を抱き抱えるような感じでしたーッ! そうこんな感じです」 「……」 (ん? お、おい!? 全然最初からじゃねぇーだろ?) 「もう一度エリゼベート様です『よ、よくも私の体を滅茶苦茶にしてくれたわね!!』」 「待て待……ふぐっ!?」 (……。お、おい!? 筋肉眼鏡ダルマ? お前は何で、俺を拘束して口を抑えているんだ?) 怪しく輝く小さな眼鏡が、より一層恐怖を感じ、この為に回り込んだのだと悟った。 「ふっ! ふぐゥゥーーーーー!?」 (は、はかったなぁぁーーーー!?) 「体を滅茶苦茶に……?」 (あ、あれ? 母上がプルプルしてますよ!? 誰か!? 誰か助けて! そ、そうだ! パパ! 初めてパパと呼ぶけど! パパ! 助けてッ!?) ルキフェルに視線を送ったのだが、父は俺の視線を電光石火の如くかわしたのだ。 (こ、このやろぉぉー!? お前の筋肉は見かけ倒しかぁぁぁー!?) 「レレ続きを私達は真実が知りたいのですぞ」 (この筋肉眼鏡ダルマはいけしゃあしゃあと!? 偽りだらけだろうが! いや……真実なんだろうけど、何でそう上手い具合に大事な所が全部抜け落ちてるんだ!?) 「了解しましたー! では、続けまーす!! 次に、グリムしゃんが『これに懲りたら俺様には逆らうなよ』とエリゼベート様をお姫様抱っこしながら言いました!」 「ふ、ふぐっーーーーー!?」 (ま、待てーーーーーー!?) 「そして最後に……」 (えッ!? 最後!? 早すぎじゃないですか!?) 「エリゼベート様が、『駄目……。私……立ってられない』で終わりでーすッ!」 「た、立ってられないぃぃぃ!?」 母の口からは、まるでリリの幻覚魔法のような煙が出てきているではありませんか。もう母の説得は無駄だと悟った。 (し、仕方ない。嫌だけど……。せめてエリゼベートのお母さんであるヘルゼさんだけでも詳しく説明しとかないと! 俺の今後に悪影響がありそうだしな) 「ふ、ふぐっふ! っふぐ! ふぐっーー! ふぐっふぐっふぐふぐふぐっーふっぐ!」 (へ、ヘルゼさん! 誤解! 誤解なんです! これは入念に仕組まれた罠なんです!)
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