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二日後の夕方、彼女の会社で組織改革の担当者と打ち合わせを終えた僕は、漏洩問題に関する今後の対応策を考えていた。
リークが始まったのは東条よりも前。堀内美緒がこの会社に来て数ヵ月の時期からだ。
本人から聴取しない限り、当時の堀内美緒の相手を特定するのは難しい。
現在可能性のあるルートをすべてあぶり出し、そこを糸口にして堀内美緒の聴取に持ち込むつもりだった。
ふと携帯にメール着信サインが出ているのに気づき、画面を開く。
打ち合わせの最中に入っていたらしい。
“わかりました。どうぞよろしくお願いします”
7時に通用門で落ち合うことを提案した僕に対する、迷子からの返信だった。
僕は、既読メールは保存の必要がない限り削除する。
迷子からの返信を削除しかけて、何となく指を止めた。
ここ数日、忙しくしていてメールの整理をしていないことを思いだし、次のメールから先に削除にかかる。
何件か前の昨日分には香子からのメールもあった。
酔っ払った旦那を帰すのに協力した際の礼を伝えてきたものだ。
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