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しかし、だ。
いくら正直が美徳でも、時と場合による。
けれどもここはぐっと我慢して、嫌味砲をブッ放すのは後にとっておき、腕組みをして聞く。
「だから主任にそんな雑用をさせておいて先に帰る訳にもいかなくて、その……」
派手な身振りが小さくなり、声がフェードアウトしていく。
「……ほう」
つまり、嫌味男はお払い箱にすればいい、と。
腕組みしたまま僕が一声発すると、彼女はようやく自分がしくじったことに気づいたらしく、僕を見上げて縮こまった。
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