屋上は夜がいい

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「そうだ!君も一緒に願い事をしよう!」 急に色を変えた空気に困惑していた俺を救ったのは、この空気を作りだした彼女自身の言葉だった。 「…は?」 「いや、君信じていないでしょ?だから君も願って、その願いが叶えば私の言うことは本当だって証明されることになるじゃん。願うだけなら別に損をする訳でもなし!さぁ、心を静めて目を閉じてー!!」 彼女はそう言って大きく深呼吸をし始めた。 唐突な提案だが不思議と俺もつられて彼女の真似をしてしまう。 数回深呼吸を繰り返し、息を吐いたタイミングで呼吸を止めて夜空を仰ぎ、目を閉じる。願うのはおそらくこのタイミングだろう。 光が失われた暗黒世界で、俺は願う。 俺の願いは… 「「すうぅぅぅぅぅぅっ」」 再開された二人分の呼吸音が静寂を破った。 「ふいー、これで完了!叶うとイイね!君の願い事!」 「えぇ、そうですね」 俺は力なく笑う。 こんな願い、叶うはずがないのは俺が一番知っている。
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