屋上は夜がいい

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入学初日の午後の授業を全てサボって昼寝してましたなんて担任に言えば、生徒指導部へと連れていかれて長時間馬鹿デカイ声に鼓膜を叩かれ続けなければならなくなる。間違いなく俺は不良生徒としてブラックリスト入りだ。 それに学級の奴らが俺を放って置きはしないだろう。勝手に変な肩書きを付けられてコソコソ陰口を言われたり、調子に乗っているとかでいじめられるに違いない。 俺の目指す平穏で静かな三年間の生活は一度の昼寝で粉々に粉砕されてしまうのだ。 今の高校生はそれほど恐ろしい。 「先生に彼は早退しましたって言っておいたし、皆もさほど気にしていない感じだったから、あんまり心配しなくても大丈夫だよ!!」 …………。 ガバッ! と俺はたっぷりと間を置いてから背後を振り返った。 さっきも何か言われたが、こんな時間のこんな場所に人がいるはずはないので、勝手に空耳だと決め込んでいた。 だが二度も聞こえてしまうと流石に人の存在を認めなければならない。 俺の視界は声がした背後に動く。 さぁ、どんな奴がこんな時間のこんな場所にいる! UFOとの交信を夢見るオカルト野郎か! 高校デビューに失敗した自殺志願者か! それと……も…… 振り返った俺は、驚きのあまり声が出なかった。
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