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「私この街で生まれて育ったの。ギルドももともと私のお父さんとお母さんが始めたんだー。困ってる人見ると放っておけない性格でさ、それで利益度外視でいろんな仕事してたら皆から頼られるようになっちゃってねー。そしたらこんな感じになってたの」
誇らしげに、そして何故か少し寂しそうにメルトは話した。そして続けて、そうお金はそんなに入ってこなかったけどね、とあどけなく笑った。
「結構大きなギルドだったんだよ?だけど、5年前にお父さんとお母さんが死んじゃってそれから皆散り散りになっちゃって・・・。今は私とお姉ちゃんをいれて4人だけで細々と活動してるだけで精一杯なの。だけど困っているウィル君見ていたら放っておけなくてさ。”困っている人がいたらまず助けなさい”ってお父さんの受け売りなんだけどね!」
ウィルはメルトが自分を助けてくれた理由がわかった気がした。
「ごめん、いろいろと世話になりっぱなしで・・・」
「そういうときは”ありがとう”って言うんだよ。助ける側としては申し訳なさそうな顔よりも喜ぶ顔が見たいんだけどなー」
自然体でこのようなことをさらっと言ってくるメルトにウィルは本当に頭が上がらなかった。
「ところで、剣を持っているってことはやっぱり傭兵とかそんな感じの仕事を考えてるの?」
一連のやり取りに一区切りがついたメルトはずっと気になっていたことを聞いた。
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