03 小さな幸せの街

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「傭兵って言うよりは遺跡に潜ってオーパーツを収集するような仕事がしたくて。さっきの話だとディガーって言うのかな?戦うことは得意じゃなくてこの剣は飾りみたいなものだよ。」 「ディガーかー。遺跡に入るのもオーパーツを扱うのも資格を取らなくちゃいけないから、それだとうちで仕事をこなしつつ技能検定を受けるのがいいかもねー」  ウィル君なら技能検定もすぐ受かるよー、とメルトは無邪気に言ってくる。 「それにしても珍しい剣だね。小さくて反っているっていうか、よくみる剣とどこか違うっていうか」  メルトはウィルの持っている剣に興味を持っているようだった。確かにこのブルメリア王国で一般的に使われている剣は一般的に直線的な形状をしているものが多い。斬ることはできないが細身で先端が尖っており高速に相手を刺すことに長け、主に女性や身軽に動きたい人が使用するレイピア、剣の両側に刃がある中型の剣で攻守含め幅広い状況に適応でき、一般的な傭兵が使用するブロードソード、刃はついているものの斬るというよりはその重量に任せて叩き割ることを得意とするグレートソードなどが、流通している剣と呼ばれている武器の9割以上を占める。細かい種類は省くとしていずれも剣身が真っ直ぐかつ線対称であるという共通の特徴を持っており、刃があるものに至ってはその全てが諸刃である。     
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