02 少女との出会い

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 今青年がいるこの街はヴィオラと呼ばれる緑豊かなグラス大陸の中央付近に位置する街で、この地を治めるブルメリア王国の首都の隣に位置する。首都への玄関口として機能するこの街は人々の行き交いが多く貿易が盛んであり、そこに集まる品物や情報を目当てとした人達により数多くのコミュニティが形成されている。このコミュニティはギルドとも呼ばれ、交易、傭兵活動、研究など目的を同じとする人々が集まって形成される。特に法律などで体系だっているわけではなく、目的や規模も様々で無数のギルドがこのヴィオラの街には存在するが、主に人気があり取り分け目立つ分野がいくつかある。  1つは貿易ギルド。この街の活気の根幹を成すものであり、その目的は他の王国や街などから入手した珍しい品物などをブルメリア王国で販売することと、その逆でブルメリア王国の特産品を他の王国や街に売り込むことであり、これらの活動によって収益を上げている。品物以外にも情報なども売買の対象である。  そしてもう1つは傭兵ギルド。傭兵ギルドはその名の通り依頼主に雇われて戦う集団のことで、主に貿易ギルドや王国が依頼主になることが多い。貿易ギルドは希少価値の高い品物を扱うため、それを目当てとした盗賊ギルドの標的になることが多い。そうした輩から自分たちの身と品物を護るために傭兵ギルドを雇うことはよくある。また、王国には王国騎士団という独自の軍隊があるが、戦争で人手が足りなくなる時や小規模な治安維持活動のために傭兵ギルドの力を借りることも少なくはない。     
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