02 少女との出会い

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 少女はそういうと、先程散々聞いた技能検定について新設に青年に説明した。少女の話によるとどうやらこのブルメリア王国には個人の技能を認定する制度があり、認定された際に発行される技能証明書を元に依頼元やギルドが雇用するか判断するらしい。技能には、主に傭兵として戦闘をこなすためのマーシナリーや、遺跡などを発掘したり強大な力を持つとされるオーパーツを扱ったりするためのディガー、薬を調合するためのファーマシスト、鍛冶のためのブラックスミスといったメジャーな技能の他にも細かな技能が数多く存在するとのことだった。  技能の検定も受けてない上に、何の証明書も持たない青年には誰も仕事を任せてはくれないと少女は言う。確かに逆の立場だったら技能を持っているか疑わしい浮浪者になんて依頼を任せたくないと青年は思った。 「でも、そんなことも知らないなんて君、どこの出身?」 こんなこと子供でも知ってる常識だよ?とでも言いたげに少女が言った。 「ずっとここからずっと南の方の山の奥で暮らしてたから、あまり仕組みとか制度とかわからなくて・・・」 「へぇ~、そんな遠くから来たんだねー。でもなんでわざわざこんなところまで?まさか家でとか~?」 少女は青年の顔を覗き込みながら冗談っぽくそう言った。 「はは、そんなもんかな?一緒に住んでた人達と盛大に喧嘩しちゃって・・・」 「君、優しそうな顔してやるときはやるんだねぇ~。一緒に住んでた人達って家族とかじゃないの?」 一緒に住んでた人達という言い方が少しばかり気になったのか少女は青年に訪ねた。     
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