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授業が終わると、部活動に参加していないので、そのまま、理事室に向かう。
ここは、未成年である自分の保護者の叔母の仕事部屋。我が物顔で、理事の冷蔵庫をあさる。
「あーーあ」
「やってらんなぁい」
叔母は不在なので、自由に叫ぶ。
炭酸飲料を取り出し、ペットボトルの蓋を開けると、ぷしゅっと小さく音がするだけで、ストレス発散にならない。
「あ、俺もコーラ」
「あたしより先に理事室いるって」
「どういうことよ」
ムカついて、冷蔵庫のコーラを片手で振ってから、勢いよく投げる。
そのまま、栓を開ければ?くくく。ざまあみろ。
「俺の因数分解の授業、よかっただろ」
受け取ったコーラのペットボトルをぐにゅぐにゅと撫で回して、キャップの蓋をあけると、
勢いよくコーラが、
吹き出さない。
「え、どうやったの?」
「内緒」
「カズキって昔からムカつく」
「学校では先生と呼べ」
ほんっと、ムカつく。
「生徒会、立候補しよーぜ」
「あり得ないし」
「叔母さんに頼まれたの?」
「うん」
「生徒会、ゆうと一緒に参加したら」
「ボーナスくれるって」
金かよ。
「へっえー」
「庶民は大変ねー」
バカにする。
「あたし、絶対嫌だから」
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