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「選挙速報見ながら、どんどんライン来て」
「マジで忙しかった。土曜日」
木綿は何も言えない。
「実は、一橋先生の当確早かったら、途中で俺一回見るの止めたんだわ」
「あ、俺も」
「そしたらさ」
「大河内先生の浮気発覚!」
「タイミング良すぎだよな。あれ。」
「マジで?て思って、選挙速報また見だして」
「そしたら、票がやっぱり伸びてないから」
「マジか…て。」
「二年は全部票が逃げたって」
「三年の一部と、何も知らない一年の票だけで、それでも何とか会計になれた」
男子数人で盛り上がってる中で、何にも知らなかった木綿が固まっていると、
「竹内さん?大丈夫?」
女子数人がさらに集まってきた。
「もしかして、全然何にも知らないんじゃない?」
やさしいクラスメイトが心配し始める。
「金曜日の夜のライン拡散も知らないんじゃない?」
「ライン拡散?」
嫌な予感がする。誰かの罠にはまっている気がする。
「写真」
やさしいクラスメイトがスマホの画面を見せる。
!!!!!!!
そこには、バースデーパーティで満面笑顔で映っている小学生の自分と、その隣でお兄ちゃんの友達の和樹が自分の頬をかるくキスをしている写真で。
「かわいーよねー」
というクラスメイトの声を気を失いながら、遠くに聞く。
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