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今日は初日で、主な仕事は、入学式のあとのクラス分け発表の紙を貼ること。
入学式で担任は挨拶するが、副担任はクラスに移ってからの挨拶となる。一人で、5クラス分のクラス分け発表の紙を貼っていると、学年主任が様子見を兼ねてやってきた。背は低くはないが、そのハラ少し減らせよ。
「お前かあ、理事の姪狙ってんのは」
初対面からひどい言い方である。
「実はですね」
「狙っているのはウソで」
「僕は理事のお目付け係です」
学年主任の高橋先生は一瞬、驚いて、
「なんだ!そうなのか!」
「ええ」
「僕は理事とも彼女とも知り合いでして」
「男子生徒から」
「守ってくれって、理事に泣きつかれまして」
「なんだ!そうなのか!」
そうか、そうか、と学年主任は納得して、職員室に戻って行った。
そして、多分、学年主任によって職員室で一瞬で噂は駆け回り、彼女には内緒ということで、職員機密という扱いになるだろう。
まあ、そんなのはどっちでもいいんだけど。
はい、紙貼り終了。
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