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クラスの担任と副担任の挨拶が終わり、教科書の配布、時間割りの配布と続いて、高校生活が始まっていく。
担任の野村先生の補佐をして、初日が終わった。
職員室に戻って、自分の担当科目の授業の準備をしていると、放課チャイムが鳴って、一旦終業となる。実際は、自分の授業の準備が終わらなければ帰れないが、今日は初日。
はー、終わった。
ちょっと、塾講師のバイトをしていた頃を思い出す。
理事に挨拶して帰ろうと、理事室に向かう。
こんこん。
「どうぞ」
女性の声がして、室内に入ると、
「Hi」
「kazuki」
英語で挨拶してきたのは、
「ゆう」
「You look so grate.」(元気そうだね)
木綿(ゆう)は、不満そうに、
「日本にいるなんて知らなかった」
いう。
「ちょっと、頼まれちゃってね」
「叔母さんに?」
「ああ、理事に」
ふうん、と呟く。
「ね」
「翔(しょう)はどこにいるか、知らない?」
来た。これも想定済み。
「君のお兄さんがどこにいるか」
「わからないんだ、ごめんね」
「そう」
木綿は理事の部屋を出ていってしまった。
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